千代鶴是秀と、先人たちが作り出した珠玉の手道具
千代鶴是秀は、明治から昭和にかけて活躍した刃物道具鍛冶です。ノミ、鉋といった大工道具を中心とした彼の作品は使い手たちから高い評価を受け、現在に至るまで不世出の工人と伝えられています。
本書では、そんな彼に影響を与えた日本の手道具文化が成熟した江戸時代の名工たちの作品から、それらを手本として取り込み昇華させた千代鶴是秀、および同時代のライバルたちの作品までを紹介します。機能を追及した上で、はじめて立ちあらわれる洗練された姿が内包する、豊潤かつ清冽な大工道具の世界を、秋山実の写真、土田昇の詳細解説で余すところなく堪能できる1冊です。