オープンヒア

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●インストラクショナルデザインの技法

ビジュアルインストラクションとは何らかの情報や注意を示すための視覚記号のことで、駅や空港などの交通関連施設や各種製品の取扱説明書などでよく見かける。
こうしたビジュアルインストラクションは、軍隊が大量の兵士を早急に訓練する必要に迫られた第2次大戦中に大幅に進展した。戦後、玩具、コンピュータ、交通標識と、ほとんど全種類の製品でビジュアルインストラクションが進化し、写実的な図や写真は抽象的なシンボルやアイコン、ピクトグラムに取って代わられた。
いまやビジュアルインストラクションは私たちの生活を侵略するまでになってきている。本書は優れた引用や見解を豊富にちりばめながら、ビジュアルインストラクションの歴史を概観し、さらに、必要な事柄を伝えるために、デザイナーやイラストレーターたちがこれまで試みてきた数々のビジュアル表現についても、数百枚におよぶイラストと図表で詳しく取り上げる。それらのアイデアは、創意に富んでいるもの、もどかしくていらいらするもの、美しいもの、途方もないものと非常にバラエティに富み、きわめて興味深く、デザインに関わる人はもちろん、そうでない人にも楽しめる1冊です。

●著者紹介

本書の著者オランダ・デルフト工科大学教授のポール・マイクセナールは世界的に著名なグラフィックデザイナーで、彼が案内板のリニューアルを手がけたアムステルダムのスキポール空港は「迷子にならない空港」として世界一の人気を誇っている。1981年、彼は長年収集している取扱説明書からピクトグラム(絵文字)を選んでカレンダーを作成した。その大好評を受け、ビジュアルインストラクションの展覧会をヨーロッパやアメリカの各都市で開催することとなり、同僚でテクニカルコミュニケーションの専門家ピート・ウェステンドルプがテキスト面で協力した。そしてニューヨークでの展覧会がきっかけで、1999年にビジュアルインストラクションに関するまったく新しいコンセプトの本が誕生した。その原書を体裁を含めて忠実に翻訳したのが、この『オープンヒア』である。

著=ポール・マイクセナール ピート・ウェステンドルプ 
訳=中村省三

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