【特集】ハインケルHe 162
第二次大戦末期、敗色濃いナチスドイツが起死回生の望みを託して送り込んだジェット戦闘機He 162。木材を多用した簡素な構造で大量生産を可能としており、「フォルクスイェーガー(国民戦闘機)」の名称を授けられたことからも、ナチス首脳陣の本機に対する期待度の高さがうかがえます。敗戦間際には壊滅的なパイロット不足のため経験不足の新米が搭乗して事故が多発。燃料など補給物資の欠乏もあって当初の目論見とは裏腹に前線部隊ではその運用に悪戦苦闘することになります。しかし上昇力や速度性能は当時第一級のデータを叩き出し、ドイツの技術力の高さを示しました。こうしたHe 162の本邦初の本格的特集となる本号では、本機の配備部隊JG 1(第1戦闘航空団)のパイロット証言、そのパイロット訓練の実態、ジェット・エンジンBMW 003の貴重な図面を用いての解説、設計者エルンスト・ハインケルとハインケル社の成り立ちなど、興味深い記事を満載。さらに、当時のパイロットマニュアルや整備ハンドブックの図版、機体構造図なども盛り込んで、この野心的なコンセプトをもつ戦闘機を詳しく紹介しています。
特集 ハインケルHe 162
発売日:2019.5.30
ISBN978-4-89319-289-9
カラー16ページ モノクロ64ページ 全80ページ